「もっとながや8~襖を愉しむ~」を開催しました

 

9/27(日) 阿倍野区の「一会」にて

「もっとながや8~襖を愉しむ~」を開催しました。

 

まずは、表具の研究家 岡本吉隆さんをお招きし、「ふすまと表具」のお話を

していただきました。

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襖はもともと美術工芸品であり、戦前までは贅沢品だったそうです。

しかし、戦後の住宅需要の高まりによって襖が多く求められるともに

伝統的な技法によらない安価な襖が普及しました。そのため、

襖=安いものというイメージを持っている方も少なくありません。

伝統的な襖は、唐絵や大和絵などが施され、また紙自体が

貴重だったため大変高価なものでした。江戸時代に贅沢禁止令が

出た際、商人たちは表面は絵が描かれ裏面は簡素に仕上げた

リバーシブルの襖を作り、状況に応じて見せる面を使い分けていたそう

です。

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岡本さんには、襖で使われるパーツなどを見せていだたきながら、

襖の作りも教えていただきました。格子状に組んだ骨下地に何層にも紙を

重ね貼りし作られていく過程や、縁や引手にも様々な仕様・種類が

あることを説明いただきました。その縁や引手、施される絵などには

公家用・武家用というふうに、それに見合うパーツ様式があったそうです。

見せていただいた引手は、普段目にすることのない形状のものがたくさん

ありました。

 

襖には調湿性や有害物質の吸着効果、血圧の降下作用などが

あるそうです。畳が敷かれ襖に囲まれた和室に寝転ぶと気持ちが

良いのは、このような効果が影響しているのではないかと岡本さんは

言われていましたが、確かに和室にいると、なぜか落ち着くような気が

しますね。健康的だということからも、和室自体が見直されてきており、

和室を海外へ輸出している状況にもあるそうです。

 

岡本さんのお話を聞き、建築を設計する私としては、襖を利用して

空間作りに活用できれば・・・とアイデアを思いめぐらす機会となりました。

 

つづいて、「あす」メンバーで、アーティストの河原和彦さんに現代襖に

ついてお話しいただきました。

河原さんの作品は、襖以外にも、その仲間である屏風や衝立に

河原さんによるアートを施しています。最近では、和紙にプリンタで印刷

できる技術があり、写真を印刷することで水墨画のような風合いが出せ、

その感じを河原さんが気に入り作品に活用しているそうです。

何よりも実際に河原さんの作品を一度みていただきたいです。

今、河原さんの展覧会が開催中ですので、ぜひ足を運んでいただけたらと

思います。

http://www.pallalink.net/modx/weblog/?p=1714

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つづいて、メンバーで表具職人である塩田鯉昇さんによる「襖体験製作」を

行い、各自思い思いの小襖を作りました。

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好きな紙を選んで、骨下地に見立てた板に貼り付け、

四方に縁を取り付けて完成です。縁が隠し釘によって固定される

様子がよくわかりました。

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この塩田さんと前出の河原さんはコラボレーションして、今までにも

多くの作品を作っています。

 

盛りだくさんの内容でしたが、襖は知れば知るほど奥深いです。

後日、「ふすまの基礎知識」をまとめたものをアップします。

みなさんが襖を知る良い機会になればと思います。

 

すがアトリエ 馬場